前々回、つくばマラソンまでの道のり
前回、つくばマラソン スタート編
の続きから、、
レーススタート1分前にトイレにいくという慌ただしさもあったが、無事にスタートは切った。
スタートゲートをくぐり、人生初の42.195キロがスタート。
トイレ後に合流した集団はAブロックの最後尾だった模様。
結果的にはトイレに行ったおかげでBブロック最前列でスタート出来たようなものだ。
Aブロックは陸連登録者がほとんどだろう。
彼らは背中にもゼッケンをつけているので判別が容易。
皆がランニングの先輩方。この3ヶ月、僕は人と走ったことが一度もなく、研究はしてるが、基本これまでは自己流だし、自分のフォームをビデオなどで見たこともない。
登録選手のフォームを観察するだけでも、いろいろと見入ってしまう。
やはり上を目指すなら、強い人と走らないとだめだろう。
とはいえ、登録選手でもブロックの最後尾には遅い人も多く、再び歩道に上がりジャンプアップ。
この辺はほぼ自転車ロードレースのノリ。
脚は休んでるおかげでフレッシュ。
スタート2キロで位置取りも落ち着ちつき深呼吸。
とにかくペースを上げ過ぎない我慢のレースを言い聞かせる。
5キロ地点通過。20分40秒。若干予定より早いかなというペースだが落ち着いて走れている。
このまま5キロのラップを21分の+ー10秒で最後まで刻んで行きたい。
ただ集団は力に統一性がなく慌ただしい雰囲気。
どうもオーバーペースで余裕が無い人が多いような気がする。
県道から国道408号線に入り込むスロープの陸橋で、遥か彼方に伸びた先頭への列が目に入る。
僕の走る位置はサブスリー狙いの最終便だろう。
サブスリーを超えるランナーがこれだけ多いとは、、
国道に入りここから北上一本道。
北風の向かい風を受けるが、ここでは出来る限り人の後ろにつかせてもらおう。
誰が良いペーサーが居ないか吟味をしているところに、
「もっと落ち着いていくぞ」との声。
見れば、駒沢ジョギングクラブと書かれたシャツのランナー3人が声を互いに掛け合っている。
走り慣れた綺麗なフォームの彼らに連れて行ってもらおう。
10キロ通過。41分30秒。
4分の1走って、サブスリーへの貯金は1分強、、
感覚的には、もっとペース上げても良いと思うほどだが当然我慢。
プッシュは全くしていないので、グリコーゲンのみではなく脂肪燃焼でも走れてる感じか、、
そして再び、尿意を感じ始めた、、
うは〜、、こりゃ参ったな。
今回の一番の反省点だろう。
レース当日の水分補給にはほんと気をつけないといけない。
12キロ地点で初の給水。
トイレ行きたいが、脱水は困るのでとりあえず紙コップをとる。
だだ、この走りながらの紙コップ飲みがどうも苦手だ。
まだ呼吸が楽だから、無理しつつも半分ほど飲む。
お、補給地点には仮設トイレもあるな。
普通に立ち止まってトイレに行きたい。
そして最初のエナジージェルを補給。
ちなみに使用したのはSISのGOという商品。
日本では売っていないものだが、僕の選択肢はこれ一択。
自腹で購入するプロロード選手多数の、知る人ぞ知る名品
この後これを7〜8キロごとに補給している予定。
マラソン的には多いと思われる方もいると思うが、この商品はエネルギー効率が高くない。
北部工業団地を抜け、県道45号線に出れば今度は一気に南下。
そして15キロ通過。1時間2分20秒 サブスリーの貯金は1分15秒ほど。
18キロ地点
ここで脚が痛くなり始める。
長距離走時に必ず経験する、筋肉や関節が軋むように蝕まれていくあの痛みだ。
20キロにも満たないで、これが出るとは早過ぎる。
一方で呼吸はまだ全然楽。口を閉じて走れるレベル。
疲れはなくとも、走りこんだ身体ではないことを露呈している。
20キロ地点通過 タイムは1時間23分20秒 貯金は1分40秒ほどか。
ほぼ中間地点。呼吸は楽だが確実に脚にはきており痛みが気になる。
この状態が30キロ地点だったらどんなに良かったか、、
「頼むから持ちこたえてくれ」
祈るような気持ち。とにかく、省エネ走法しなければ、、
この20キロから30キロの内容でサブスリーの資格の有無が決まる。
尿意が本格化。
やべぇ、どうするか、、
次の給水でトイレに行くは本気で考え始めた。
骨盤底筋に力を入れる。
そう、おしっこを途中で止めるあの筋肉。
すると、なんかランフォームが整うな!
さすがコアマッスルを構成する一つの筋肉なだけある。
骨盤底筋、尿意に唯一対抗できる最後の砦。ほんと頼む
26キロ地点の給水地点。
男性用トイレが開いていたら行ってみるかとほんとうに悩んだ。
そして通過する頃にはトイレをしているランナーが既にいる、、
スルー。、
そして給水所もスルー。
もう水分補給は無しで行くと決める。
のどが渇いていないのもそうだが、それよりこの状況で水を飲むとかあり得ないでしょ、、
SISのGOジェルは、一緒に水を飲む必要が無いレベルで飲みやすく、
むしろ喉の渇きも補えなくもないのでこれだけでいいだろう、、
なんて考えてるところに、さっきトイレにいたランナーが前にかっ飛んでいった。すげぇなぁ、、
隣で、呼吸が乱れまくってるランナーが必死で走っているのが気になる。
ゴールまでの距離を考えてもペースを落としたほうが良いのではなかろうか、、
足を押さえて倒れているランナーもこの辺りから見かけるようになる。
ハムが攣って悶えてる人。ホント気の毒に思いつつも、僕もハムまでが攣りそうになり目をそらした。
いよいよ30キロ通過 時計は2時間5分30秒 貯金は2分強だ。
100円貯金で2分まで貯めた。
30キロで失速する不安を抱えて出走したが、
脚は相当にキテルものの、相変わらず呼吸は乱れずに落ち着いて走れている。
サブスリーのチャンスが到来とここで認識。
そんなすばらし機会など、後の人生でもそうはないだろう。
初マラソンということでは唯一のチャンスだし
現状の足の筋肉、特に大腿四頭筋の痛みは練習だったら確実にストップするレベルだが、
ここまできたら体がぶっ壊れても関係なし、行くべし。
アドレナリンもいよいよ来た感じ
30キロを超え、県道をそれるカーブの後、これまで走ってきた、駒沢ジョギングクラブ他、常に一緒だった5〜6人と歩幅が合わない。
というか君たちどうした、、遅くないか、、
ガーミンを見ると、今まで一度も見たことのないキロ4分20秒まで落ちている。
35キロまでキロ4分15秒より早く持ちこたえたいので、ここで初めて彼らの先頭に立ちギアを一枚入れる。
まだギリギリで抑える感覚も残しつつ、プッシュして走る。脚がとにかく痛すぎる。
といっても、ペースが上がったのではなく、一定のペースを刻んでるだけ、、
32キロ過ぎで、ギアをもう一枚入れる。そうでないとガーミンは、キロ4分15秒以下を示さなくなった。
後ろを振り返ると、先程までの仲間はもう見えない。
35キロ通過、時計は2時間26分30秒。貯金はここで計算出来なくなった。
ペースが上がり余裕がなくなってしましまった。
目標通過タイムは腕に書いておくべきだったな。
とはいえ、ペースダウンはないので、貯金は2分30秒以上あるだろう。
そして35キロの壁とは本当に言ったもので、いよいよ36キロ目のラップで初めて4分20秒以下までペースが落ちる。
呼吸はまだ余裕はあるのだが、体が動いてくれない、、。
四頭筋などはレッグエクステンションを限界までやった後に、更に引きちぎれそうになりながらも繰り返す感じ。
ふくらはぎも同じ、、
「どりゃあああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜」
レース後歩行困難決定
長引くだろう、、
これまでのランニング最長距離37キロ地点を通過。これより未体験ゾーン。
残り4キロの看板。腕時計は2時間40分30秒を回ったところ示している。
このままキロ4分45秒でいければ良いだろう
サブスリーをここで確信。
大腿四頭筋と脹脛がブチ切れそうだ。
残り2キロ 腕時計は2時間49分50秒。
キロ5分でも大丈夫。
余裕あるな!と思いつつ、ここで、グロスタイムの事を思い出した。
ここまでオフィシャルのタイム表示は一度も無かったので、号砲からの時間経過を把握していない。
1分くらいか、いずれにせよギリギリの勝負だなぁ、、
3時間01秒で、後悔したくない。
ギリの時間勝負は追われるような気持ちになる。
フォームなどどうでも良い
なりふり構わず前進。
前進という言葉があってる。
早くゴール来てくれ!1秒でも早くこの苦痛から開放されたい。
前方を見ると、これまでほぼフラットなコースなのに、そびえるような陸橋が見えはじめた。
「ドリャァァァァ」と行くが気持ちも脚も限界は遠の昔に超えている。
いやぁ、つくばマラソンさん、ここに来て激坂ですか、、
ここから最後までは多くのランナーに抜かれまくった。
駒沢ジョギングクラブの方にも抜かれる。
ようやく競技場へ左折。ゴールのアーチが見える。
オフィシャルの時計を確認、まだ、2時間58分台!
よっしゃ、グロスでもサブスリー達成!
グロス:2時間59分12秒
ネット:2時間58分40秒
ゴールライン通過直後から歩行困難。
ゴールで貰ったポカリスエットがマジうめぇ。
ふと、トイレのことを思い出す。
おぉ、あの酷い尿意が30キロ以降消えてるじゃん。
自律神経系のバランスやアドレナリンで一時的に尿意が消失したのだろうか、、、
膀胱の尿が再吸収されない知識はあるが、これだけスッキリと1時間も尿意が消えるんだから身体は不思議だ
と思った矢先に尿意来襲。ヨチヨチ歩きでトイレに直行。
3ヶ月計画のゴールがサブスリー
真剣にスポーツに取り組んだのも20年以上ぶり。
この達成感と充実感、僕は本当にこの気持を忘れてしまってたな。
チャレンジして良かった!
おわり
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